綿布団は古くても　2016.11.13
　お客様からの電話で一番多い質問は「数十年前の結婚の時持ってきた布団は作り直しできるのでしょうか？」である。私的に思うのは、その昔は結婚の際、嫁ぐ方が布団を持っていくと言うしきたりがあり、その布団綿は平均して良い綿である事が多い。布団専門店で婚礼の布団に悪い綿を入れる店は存在しないと言っても良いだろう。近年は綿布団と称し通販などで布団が販売され、それも非常に安価なものが多い。それに飛びつくお客様も多く、その布団を作り直しに出されるがまず良い綿は入っていない。機械作りの布団は真ん中がへこみ、また綿はくず綿ばかりだ。これも布団専門店ならまず販売はしない代物だ。金儲けの為や、先の短い布団専門店なら販売するかもしれないが……。話は古い布団に戻るが、まず婚礼布団なら古くても全く関係なく作り直しはできる。時代によっては例外もあるが、戦後まもなくとか物のない時代でなければくず綿ではないと思う。そして、昔の綿布団は多くの綿を入れるため重い布団（しっかりした）が多かった。これも現代的な重さに変える事もできるし、サイズも変えられる綿布団は便利なものだ。重さを軽くする際は化繊も打ち込める（混綿）し、混綿の作り直しも可能だ。良い綿である婚礼布団綿をこたつ布団や座布団（長座布団）にも変えられる。捨ててしまえばそれまでの綿布団。綿布団は重いしダニがわくと敬遠しがちだが、それは他の素材の布団を販売している人がイメージとして植え付けたからであり、ダニは布団からわくわけではなく、また重さも自由が利く綿布団こそ布団なのである。是非婚礼の際に親御様が持たせてくれた布団は捨てることなく作り変えることを望みます。