これは何とも 2016.3.21
この時期は卒業、新入学シーズンで量販店等のチラシには格安セット布団が掲載される。その内容は目を覆いたくなる商品で、○○点セット￥５９８０等と記載されている。新入学と言う事は大学生が殆どであろうが、布団にはあまり関心のない年代であり、使い捨てが当たり前だ。しかし、当店にこの件で学生の親から問い合わせが来る。内容は、「チラシの商品は如何でしょか？」とか、「布団を作ってもらいたいのだが、その金額は？」と言うものだ。布団上下で○○円ですと伝えると、「そんなに高いの！」の場合が殆どだ。今の２０歳前後の学生の親だとすれば、４０歳半ばほどで、その年代の人でさえ、量販店の布団の価格を見慣れている事が原因で、布団専門店の綿布団は高く思えるようだ。布団の内容と価格は比例しており、安かろう悪かろうが布団の通例だ。どこかの量販店の「○○以上」は何を言いたいのかはお分かりだろうが、布団に関してはそうとも言えない。結局中身は使い捨てであり、寝心地が良い訳がない。布団以外の物（例えば車やバッグ等）は質に拘るものの、布団は何でも同じだ！と思う人が多いのが不思議だ。布団程使う時間が長いものは他になく、寝心地は人間が生きていく上で必要不可欠だ。例えば羽毛布団だが、量販店や通販の物は確かに安いが、質は決して褒められるものではない。テレビショッピングでは布団の知識の無い番組MCが元気一杯その商品を売り込むが、こちらからすれば、「嘘でしょう！」と言いたくなるものばかりだ。本当に良い物に１度寝てみればその違いは直ぐに分かるのだが、それを使った経験が無ければ、「まあこんなもの」で納得してしまうのが実情だ。少々値がはっても、良い羽毛布団に寝ると、部屋の暖房は必要ないし、羽毛１枚でもかなり暖かい。また良い羽毛は作り直しができる事も良い事だろう。敷き布団も綿なら作り直しが出来、経済的にも、環境的にも良い代物だ。一昔に比べれば全て使い捨ての方向からリユースの方向へと転換しているが、何故か布団だけはまだ使い捨てのようだ。